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その1:名駅で見た秘境   その2:天白で見た秘境


朝の連続ホムペ小説
秘境名古屋


その1 名古屋で見た秘境
の広場の看板 の広場のショーケース
これが広場弁当。略して「広弁」 の広場のメニュー


左上:見難いですが、たしかに店名は「の広場」です。
左下:これが繁華街名駅の地下でたったの680円なのだ。
右下:メニュー。名古屋フード満載。あんかけスパや、右下には小倉サンドまである。
小倉サンドはきっとアンコをトーストでサンドしてるんだろうなぁ。




私は久しぶりに秘境名古屋を訪れた。そう、数年前に何十年と続けた秘境名古屋探検をおわらせてからは一切踏み入れることのなかったこの地に、また戻ってきたのだ。明確な目的などない。ちょっとしたノスタルジーを感じに来たのかも知れない。

 私は秘境名古屋を訪れる人々の玄関口となっている名駅へとやってきた。そう名古屋駅を略して名駅(メイエキ)。地元名古屋の人がそう呼ぶこの街は、実際の住所すら「名駅」になっている。名駅には迷路のような巨大地下要塞が存在する。規模としては栄の地下要塞と並ぶものである。その迷路は多くの秘境スポットが存在するが、その中でも忘れられた地下街がいくつか存在している。かつて名駅にそびえたっていた毎日ビル(私の中では香港ビルと名付けていた)が高層ビル建設のため取り壊され、いくつかの地下通路が封鎖された。そして、そこは忘れられた街となった。

 昔一度踏み入れたことのあるその忘れられた街(地下街)はその当時は通路が名駅地下街に通じていたせいか、昭和50年代の雰囲気をのこした街ながらも現代人が行き交う人通りのある街だったが、この日はほとんど人通りはなかった。唯一5〜6人集団の若者が集うのは「モー娘。」のレア生写真などを扱うアイドルショップだけだ。私はかつてその街に足を踏み入れると一種のテーマパークにきた錯覚におちいったものだったが、その雰囲気は洗練されたその街の店たちがかもし出すものだった。時が止まったかのような路地裏の雰囲気をもった長崎ちゃんぽんの店、番地名などないのに「五番街」と名づけられた純喫茶、マーボーが現れそうなゲーセン。どれもがその洗練された雰囲気で光をはなっていたのだった。今もまったく変わらない錯覚を覚えながら、久しぶりに訪れた私は一番気にかかっていた店「の広場」を訪れた。「の広場」。決してタイプミスではない。店名が「の広場」なのだ。なんて意味深なんだろう。表の看板には「コーヒー、紅茶の出前、承ります。の広場」と書いてある。初めてその看板を見た人はきっと「コーヒー、紅茶の出前、承りますの広場」という店だと思うだろう。なんて長い店名。。。そうではない。店名が「の広場」なのだ。ひょっとして「・・・の広場」という店名で、表の看板の「・・・」の所の文字が消えてしまっただけなのか!と思った時期もあった。だが、そんなよこしまな考えをしてしまったあのころの自分を今は少しだけ恥ずかしく思う。

 ともかくお店に踏み込んだ私は、入り口に一通りそろったおじ様御用達である「週間現代、週間ポスト」などのある意味バイブルを横目に見ながら席についた。この店で一番の人気メニュー「広場弁当」を常連らしく「弁当ひとつ!」と注文した。人によっては「ひろ弁」と注文しているが、どちらでも通じる心の広さが、この店の持ち味だ。注文した後、じっくりと店内を見回してみる。さすがだ。店内には店員のおばちゃま以外はおっさんしかいない、と思った瞬間に「弁当」がテーブルに運ばれてきた。早すぎる。このスピードがおっさんから支持される理由だ。名駅地下街から孤立したのにもかかわらず、繁盛している雰囲気。おかしい、そう思う私の考えを否定するような必要以上に豪勢な「弁当」。改めて値段を確認する。これで、680円!名古屋の奥深さを感じる瞬間である。確かにこの店はサラリーマンの、そしておじ様たちの憩いの空間である。「弁当」のボリューム、価格、アイテム(雑誌)。完璧である。名駅に来たときはこのような店を必ず探してみるべきだ。巨大な地下要塞はいつもそこにあるのである。



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